【報告】「フェアトレードな一日」@一生もんshop緑々(あおあお)についての記事。

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【報告】「フェアトレードな一日」@一生もんshop緑々(あおあお)

2017年05月15日

5月12日の金曜日。
土砂降りの中、小倉京町にはある「一生もんshop 緑々」には、フェアトレードに魅せられた人々がたくさん集まりました。

この日は一日中、「フェアトレードな一日」と題して、とてつもなく、贅沢な1日がかり(交流会が終わった時間は日付が翌日になっておりましたが・・・)のイベントが開催されました。
エコライフステージの事務局は、夜の部とその後の交流会のみ参加させていただき、有意義な時間を過ごさせていただきました。
まず、緑々、店主の宮下緑さんから、簡単な挨拶がありました。
「夢を持てる自分に向かって・・・」というフレーズが印象的でした。
さてさて、そのあとはメインイベント。
フィリピン産、オーガニック無添加フェアトレードをモットーに活動しているGirls be Ambitiousの代表、山田麻樹さんのプレゼンテーション。
まずは、「アジアで花咲けなでしこたち」(NHKBS1)のさわりの部分のDVD上映。
そして、その後に山田さんからフェアトレードについてお話をしていただきました。
日本で「フェアトレード」という言葉が使われるようになってから、ずいぶんと経ちますが、山田さんからはフェアトレードがいかに変化してきているのか、現場にいて肌で感じたことを聞かせていただきました。非常に貴重なお話でした。

以前、コーヒーのフェアトレードに興味を持っていた私からしてみれば、国際市場、国際価格、天候に左右されにくいモリンガに目をつけた点はすっごいなーと思いました。
また、現在、企業のサバイバル戦略の一つとしてもフェアトレードが取り入れられていたり、「フェアトレードで扱われている商品 = 質の高い商品」という認識に変わってきておりフェアトレード商品を扱うお店も増えてきたとのことです。
この話を聞いて、フェアトレードが、以前よりも我々の生活に入り込んできているな、という印象を受けました。
山田さんは「今、フェアトレードver.2.0からフェアトレードver.3.0というようにフェアトレードの転換期なのでは」とおっしゃっていましたが、山田さんがお話ししてくださった内容を改めて考えると確かにフェアトレードはそのような時期に来ているのかな、と感じました。
山田さんのプレゼンテーションで印象に残ったのは「フェアトレードを突き詰めるということは自分の可能性を突き詰めること」という言葉でした。
さて、山田さんのプレゼンテーションに続いては、フェアトレード試食会の事務局長、本田正之さんがファシリテーターとなって、山田さん、北九州市立大学の大平剛先生、元ピープルツリーのスタッフ、市來潤子さんがパネラーとなってのパネルディスカッションが行われました。
まずは、皆さんが、いかにフェアトレードに関わるようになったのか、というお話を聞かせていただきましたが、興味深い点はみなさん「おっしゃ、フェアトレードやっちゃる」と意気込んではじめたわけではなく、偶然だったり、たまたま機会があったから、ということがきっかけだったということです。
次に、フェアトレードの魅力について、皆さんから教えていただきました。
山田さんからは、フェアトレードに興味を持つ人々が日に日に増えていくことを実感しているということでした。私は勝手に「日に日に世界が良い方向へと変わりつつある」と理解しましたが、フェアトレードが広がっていくということは、多分、そういうことなんだと思います。
大平先生からは、学生への思いを伝えていただきました。いろいろな人に話をして関わって、感化していって欲しいというメッセージでした。
最後に市來さん。フェアトレードの魅力は「つながり」のようです。フェアトレードを実践することで、世界のいろんなこと、世界のいろんな人がつなっがているということを具体的なエピソードをふまえて、熱く語ってくれました。
さて、交流会ですが、なんと、深夜1:00までフェアトレードについて語り合いました。
そして私は交流会を通じて、二つの気づきを得ることができました。
一つ目。私はフェアトレードにあまりいい思い出を持っていないのですが、この会でみなさんが楽しそうに話をするフェアトレードと私が知っているフェアトレードの違いは何のかをずっと考えていました。交流会を通じて、その違いは「誰かを助けてあげなければいけない」という慈善事業としてのフェアトレードと、純粋に「良いものを消費者に届けたい。そしてそれに見合った金銭を生産者に届けたい」という気持ちの込もったビジネスとしてのフェアトレードの違いなのだ、と気づきました。
二つ目は、なんで今まで気がつかなかったんだろうという気づきでした。山田さんの話を聞いていて私が感じたことは「フェアトレード、フェアトレードって言っても、結局、健全なビジネスを正直にやっているだけじゃないか」ということでした。確かに、よくよく考えると「フェアトレード」ってそんなにややこしことではなくて、直訳すると「健全な取引」という意味ですから、当たり前といえば当たり前ですよね。
つまりは、山田さんが実践していることは実は、普通のトレードであって、現在、世の中にはびこっているトレードがアンフェアトレードなんだって気がつきました。「フェアトレード」っていうと「えっ」って思っちゃう人いるけど、実はそんな難しく考える必要はなくて「取引のあるべき姿」「健全な取引」なんだという気づきでした。なので、フェアトレードっていう言葉よりも「アンフェアトレード」っていう言葉を流行らせるべきなんじゃないかなーって思いました。
山田さんのプレゼンテーションにあった通り、今、フェアトレードはさらにバージョンアップする時期に来ているような気がしました。そのバージョンアップとはフェアトレードという言葉がなくなり、フェアトレードの要素を持った取引が普通に行われるようになっていく方向に進みつつあるな、と実感しました。
ということで、とてつもなく楽しく、とてつもなく有意義な時間を過ごさせていただきました。
このような場を設定してくださった緑々様、またこのような会を実現させてくださった方々、ありがとうございました!!

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TOTO
株式会社三井ハイテック